2008年10月3日金曜日

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No.04 日本の教育が元に戻る?


 「江東区が小学校『選択制』見直し 『地域の連帯薄れる』」
「小中の学校選択制『弊害目立つ』と廃止へ 前橋市教委」 
 先日(9月26日、Asahi.com)、こんな報道がありました。

 数年前に、自宅の住所で通学する公立の学校が決められる「学区制」から、通学する学校を選べる「学校選択制」が、一部の教育委員会で始まりました。
 この報道によると、「文部科学省によると、何らかの形で学校選択制を導入している自治体は20065月現在、小中学校で約14%、『実施を検討中』が小学校約13%、中学校約15%で、今後も増えるとみられる。」としています。
 この制度は、その当時の政治・社会の「規制緩和」の流れの中で、保護者の「自己責任」で子どもの教育を選択することを目的として、始められました。
 しかし、日本全国の動向は「選択制」拡大に向いているようですが、先輩格の江東区や前橋市が、「地域の連帯薄れる」「弊害目立つ」との理由で、元の校区制に徐々に戻そうということです。

 同じ時期に、小泉元首相が政界からの引退を発表しました。
 皆さんもご存知のように、「規制緩和」「自己責任」は小泉首相の政治の中心テーマでした。その主張に沿って、日本の学校教育も多くの改革(?)を行いました。そのひとつが「学校選択制」だと思います。

 「格差社会」を生んだといわれる小泉氏の政治を変えようとするポリシーを持つ麻生新首相の登場に合わせたかのように、小泉氏の引退と「選択制」の撤退が出てきました。
 
 私は、日本の教育の今後の流れの象徴を感じてしまいます。
 幼稚園児を持つお母さんから「どんな基準で小学校を選べばいいのでしょうか?」という質問を、2年ほど前に受けたことがあります。「親の責任で子どもの教育を決める(選ぶ)」ことは、日本の保護者にとって、いや教育界にとって、まだ無理なのでしょうか?
 だから、改善点よりも「弊害目立つ」として、日本の教育は元に戻っていくのでしょうか?
 皆さんのお考えは?

 実は、教育の世界、帰国子女の教育においても、改革・変革を元に戻そうとする動きがあるように見えます。それは次の機会に紹介しましょう。
 

2008年9月29日月曜日

No.03 海外子女教育情報誌「INFOE」


 4年前から、北米に住む日本人保護者対象の教育情報誌「INFOE(インフォー)」を発行しています。
 その22号(2008年9・10月号)を、アメリカの全ての日本人学校・補習授業校(住所がわかっているところ)に、今日発送しました。

 実は、この情報誌は、私が孤軍奮闘で、執筆・編集・発送を自分一人でこなして、発行しています。(偉そうにいいますが!) もちろん、原稿の一部は数人の寄稿者(原稿料はゼロ)の皆さん、印刷はピーターさん、発送はヒロ君に手伝ってもらっています。皆さんに感謝します。
 ほとんど、ボランティア精神での発行です。希望する個人や日系企業へは、雑誌代は無料、送料のみでお送りしています。ありがたいことですが、希望が多くなってきて、少し大変になってきました。
 皆さんも、機会があれば、一度、お読みください。

 なぜ、こんな雑誌をボランティアで発行しているかを、聞いてください。
 「日本からの海外に向けて発信される教育情報は、そこで生活している子どもや保護者の背景や現状を全く考えていない、一方的なものである」と言う、私の考えを基にしています。実は、私の過去30年間に及ぶ、海外(アメリカ・カナダ)で学ぶ日本人の子ども達の教育をサポートする活動は、この考えが発端であるといっても過言ではありません。
 それで、「海外の子どもと保護者のための、海外に住んでいるおじさん(私の事)による情報発信」と言うことで、情報誌が生まれました。
 そんなわけで、この雑誌には、私の勝手な意見で、かっこよく言うと私の責任編集で作られています。

 北米の100近い学校へ、10から350部もの雑誌を送り出して、少し充実した気分を味わっています。
 海外子女教育情報誌「INFOE」をよろしく、お願いします。(私の子どもみたいです。)

2008年9月11日木曜日

No.02 アメリカの大統領選挙と教育

 アメリカの大統領選挙まで、1ヶ月半となりました。共和党のマケイン候補、民主党のオバマ候補が接戦しています。
 この大統領選挙では、「教育」がほとんど争点になっていません。戦争・テロと経済と問題が山積しているからでしょうか?ただ、二人ともテレビ広告では教育についての意見を述べているものもあるようです。
 二人の候補を決めたのは、先ごろ開かれた両党の全国大会でした。その大会では教育政策についての議論・討論がもたれました。その結果、どちらの候補も候補受諾演説では、簡単に教育政策について触れていました。
 二人の演説では、現在、アメリカ連邦教育省のもっとも大きな教育プログラムで、ブッシュ大統領が強く推進してきたNCLB(NO Child Left Behaind)を、基本的には続けていくとの主張がありました。しかし、具体的な内容では両者の違いが出てきました。
  NCLB法には、「各州は算数・数学とリーディングの学習基準を定め、児童生徒の学力がその基準に対して十分向上しているかどうか州の統一試験で毎年判定する。もし不十分な場合はその児童生徒の学習をサポートしなければならならない」と決められています。その試験結果に対する「責任」を誰が取るのか、で意見の違いが出てきています。
 マケイン候補は、もっとも大きな責任は先生・学校にあると、成績向上を示せない学校・先生に厳しく対応する方向を明確にしています。一方、オバマ候補は、成績が向上しないのは学校や地域社会の財政的な問題が大きいとして、教育全体への財政援助を前面に打ち出しています。
 もっとも、これらの意見は、政府の支出を抑えて「小さな政府」を目指す共和党、政府の力で社会問題を積極的に解決していこうとする民主党、と言う政党の基本方針江に従った違いであるとの解釈できます。
 連邦議会はこのNCLB法を継続・更新するかどうかを、今年判断しなければなりません。ですから、どちらが大統領になっても教育が論争の材料になりことに、間違いはありません。
 こんな話をすると、「うちの子どもの教育には関係ないし」と思われるかもわかりません。しかし、「お子さんは、最近学校で州の統一試験の受験勉強をさせられてせんか?」「勉強の内容が、点数を取る勉強にかたむいてきていませんか?」よく観察してみてください。実は、そのアメリカの学校での勉強のさせ方の変化の元凶は、このNCLBなのです。
 お子さんの勉強のために、少し注目してみませんか?

2008年9月10日水曜日

No.01 全国学力テストの公表騒ぎ

 この1週間ほど、"全国学力テスト"の結果を公表についてのニュースが、日本を騒がせています。
 本格的になってきたのは、大阪府の橋下知事の発言ですが、彼の"毒舌?"がメディアの格好のねたになっているようです。私も、仕事柄、興味があるのでインターネットで、このニュースを追いかけています。
 しかし、公表、または非公表のどちらからも、なぜ、という理由が明確にされていません。ディスカッション(議論)にならなくて、「する」「しない」の主張だけが伝わってきます。どうも、「やれ」という政治家も「いやだ」という教育委員も「理由をつけて主張」することが苦手な様です。ひょっとすると、マスコミの人たちも苦手なので、そんな記事が見られないのでしょうか? これぞ、日本の教育の成果(?)

 ところで、この日本の問題と同じようなことが、アメリカの大統領選挙でも話題になっているのをご存知ですか?
 アメリカ版はNCLB(No Child Left Behind)という連邦政府の教育プログラムの問題です。このプログラムは、ブッシュ大統領が就任直後スタートした、彼の大好きな、お金のかかるプログラムです。このプログラムを、次の大統領はどんな形で続けるのか、二人の候補に考え方に隔たりがあるのです。
 日本の学力テストはまだ2年目なのに問題噴出ですが、アメリカは8年目なので、もっと深刻です。このプログラムを評価する多くの研究結果やレポートが公表されていますが、その結論は「百家争鳴」の状態です。というのも、日本の文部省と違ってアメリカの教育省は大きな権限を持っておらず、基本的に、「州の教育省にお願いするか、補助金で脅すか」しか出来ません。アメリカ社会の特徴のひとつ「Local control」が力を持っているので、州により、その成果が大きく異なるからです。

 [公表しないと、予算をやらないぞ!]と言ったのは橋下知事ですが、アメリカの状況もそっくりです。

 NCLBについては、またの機会にもう少し詳しくお話します。今日はこれくらいで。失礼します。

2008年9月3日水曜日

No.00  海外子女教育の情報発信を始めます!


アメリカで子どもを育てておられる保護者の皆さん

はじめまして。松本と申します。

これから、お子さんの教育をサポートするために、海外子女教育に必要な情報を発信します。また、アメリカで子どもを教育するための、様々な問題に対する私自身の考え方も紹介します。
これらの情報・考え方の基本的な視点は、アメリカで子育てをしておられる皆さん自身です。アメリカで子育てをした父親、また教育カウンセラーとしての私自身の経験と知識に基づいた、発信です。
どんなテーマや内容についての情報・考え方か、どんな人物が書いているのかは、これからのこのブログの内容をご覧ください。
発信の間隔は長くても1週間として、なるべく回数が多くなるよう、全力を尽くします。
もちろん、私の発信に対する、皆様からのご意見・コメントは大歓迎です。お待ちしております。

このブログが、皆様のアメリカでの子育て・子どもの教育にお役に立てることを信じると共に、心から祈っております。
それでは、次回お会いしましょう。
松本輝彦