2008年9月11日木曜日

No.02 アメリカの大統領選挙と教育

 アメリカの大統領選挙まで、1ヶ月半となりました。共和党のマケイン候補、民主党のオバマ候補が接戦しています。
 この大統領選挙では、「教育」がほとんど争点になっていません。戦争・テロと経済と問題が山積しているからでしょうか?ただ、二人ともテレビ広告では教育についての意見を述べているものもあるようです。
 二人の候補を決めたのは、先ごろ開かれた両党の全国大会でした。その大会では教育政策についての議論・討論がもたれました。その結果、どちらの候補も候補受諾演説では、簡単に教育政策について触れていました。
 二人の演説では、現在、アメリカ連邦教育省のもっとも大きな教育プログラムで、ブッシュ大統領が強く推進してきたNCLB(NO Child Left Behaind)を、基本的には続けていくとの主張がありました。しかし、具体的な内容では両者の違いが出てきました。
  NCLB法には、「各州は算数・数学とリーディングの学習基準を定め、児童生徒の学力がその基準に対して十分向上しているかどうか州の統一試験で毎年判定する。もし不十分な場合はその児童生徒の学習をサポートしなければならならない」と決められています。その試験結果に対する「責任」を誰が取るのか、で意見の違いが出てきています。
 マケイン候補は、もっとも大きな責任は先生・学校にあると、成績向上を示せない学校・先生に厳しく対応する方向を明確にしています。一方、オバマ候補は、成績が向上しないのは学校や地域社会の財政的な問題が大きいとして、教育全体への財政援助を前面に打ち出しています。
 もっとも、これらの意見は、政府の支出を抑えて「小さな政府」を目指す共和党、政府の力で社会問題を積極的に解決していこうとする民主党、と言う政党の基本方針江に従った違いであるとの解釈できます。
 連邦議会はこのNCLB法を継続・更新するかどうかを、今年判断しなければなりません。ですから、どちらが大統領になっても教育が論争の材料になりことに、間違いはありません。
 こんな話をすると、「うちの子どもの教育には関係ないし」と思われるかもわかりません。しかし、「お子さんは、最近学校で州の統一試験の受験勉強をさせられてせんか?」「勉強の内容が、点数を取る勉強にかたむいてきていませんか?」よく観察してみてください。実は、そのアメリカの学校での勉強のさせ方の変化の元凶は、このNCLBなのです。
 お子さんの勉強のために、少し注目してみませんか?

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