2008年9月10日水曜日

No.01 全国学力テストの公表騒ぎ

 この1週間ほど、"全国学力テスト"の結果を公表についてのニュースが、日本を騒がせています。
 本格的になってきたのは、大阪府の橋下知事の発言ですが、彼の"毒舌?"がメディアの格好のねたになっているようです。私も、仕事柄、興味があるのでインターネットで、このニュースを追いかけています。
 しかし、公表、または非公表のどちらからも、なぜ、という理由が明確にされていません。ディスカッション(議論)にならなくて、「する」「しない」の主張だけが伝わってきます。どうも、「やれ」という政治家も「いやだ」という教育委員も「理由をつけて主張」することが苦手な様です。ひょっとすると、マスコミの人たちも苦手なので、そんな記事が見られないのでしょうか? これぞ、日本の教育の成果(?)

 ところで、この日本の問題と同じようなことが、アメリカの大統領選挙でも話題になっているのをご存知ですか?
 アメリカ版はNCLB(No Child Left Behind)という連邦政府の教育プログラムの問題です。このプログラムは、ブッシュ大統領が就任直後スタートした、彼の大好きな、お金のかかるプログラムです。このプログラムを、次の大統領はどんな形で続けるのか、二人の候補に考え方に隔たりがあるのです。
 日本の学力テストはまだ2年目なのに問題噴出ですが、アメリカは8年目なので、もっと深刻です。このプログラムを評価する多くの研究結果やレポートが公表されていますが、その結論は「百家争鳴」の状態です。というのも、日本の文部省と違ってアメリカの教育省は大きな権限を持っておらず、基本的に、「州の教育省にお願いするか、補助金で脅すか」しか出来ません。アメリカ社会の特徴のひとつ「Local control」が力を持っているので、州により、その成果が大きく異なるからです。

 [公表しないと、予算をやらないぞ!]と言ったのは橋下知事ですが、アメリカの状況もそっくりです。

 NCLBについては、またの機会にもう少し詳しくお話します。今日はこれくらいで。失礼します。

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